こんにちは、株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン代表取締役の深作浩一郎です。
今回は出版社が電子書籍出版に消極的な理由を3つ紹介します。
出版社が電子書籍出版に消極的な3つの理由
出版社が電子書籍に消極的な理由は、以下の3つが挙げられます。
・著作権処理の手間
・契約の問題
・電子書籍の認知度が低い
出版社が電子書籍出版に消極的な理由(1)著作権処理の手間
電子書籍出版に対して出版社側が消極的な理由の一つ目に、本の内容によっては電子書籍化するのに著作権の処理に手間がかかることが挙げられます。
紙の本を電子書籍にする過程で、著作権の処理に手間がかかる場合があり、著作権処理にかけるコストが、電子書籍販売の利益と釣り合わない場合が多く、電子書籍出版に消極的な要因となっています。
出版社が電子書籍出版に消極的な理由(2)契約の問題
出版社が電子書籍出版に消極的な理由の二つ目に契約の問題があります。
紙の書籍の契約をした際に電子書籍の契約が同時にされることがなく、それぞれ別の契約を交わす必要が出てきます。そのため著作権の処理同様に、紙の書籍を電子書籍化するための契約をまた交わさなくてはいけなくなり、手間に感じているということもあるようです。
図版等が多い本の場合は電子も含めた権利処理をコストに反映すると、原価がupしてしまうという問題や、写真や肖像権など、著者以外の権利処理の事務コストおよび権利処理費用が大きな課題となっています。
これらのコストよりも大きな利益を電子書籍出版に見込めない限り、出版社が電子書籍出版に積極的にはならないでしょう。
出版社が電子書籍出版に消極的な理由(3)電子書籍の認知度が低い
出版社が手間をかけて紙の本を電子書籍化したところでまだまだ電子書籍の認知度が低いために利益が見込めないのも電子書籍に消極的な理由と言えます。
電子書籍という言葉自体は世の中には広まっているものの、
どうしても、電子書籍=漫画 というイメージが強いです。
実際に電子書籍の売り上げは、漫画が8割以上を占めています。
2020年度の電子書籍市場規模のうち、コミックが前年度から1013億円増加の4002億円(市場シェア83.0%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同72億円増加の556億円(同11.5%)、雑誌が同14億円減少の263億円(同5.5%)となっています。
引用元:電子書籍ビジネス調査報告書2021(https://research.impress.co.jp/report/list/ebook/501228)
そんな中でコストをかけて電子書籍を出版できるのは、売れる見込みのある本である必要があります。
リスクをかけて電子書籍化出来ないために、出版社が電子書籍出版に消極的になっていると言えます。
著者側の電子書籍出版への反対意見
一部の著者には電子化に反対の意見もあるらしく、著者側の電子書籍出版を反対する意見の中心となっているのは
・不正コピーへの心配
・紙の売上への不安
です。
不正コピーは漫画業界、電子書籍業界では常に問題視されている点です。
しかし電子書籍だけでなく、紙の本でも断裁してスキャンされ拡散されている事例などもありますので、
電子書籍が特別不正コピーされるというよりは、世の中に出版されている書籍はどんな媒体であれ不正コピーの危険性があると言えます。
電子書籍を同時に出すと、紙の方の本の売り上げが下がるのではないか?と心配する人もいます。
同じ1万部の売り上げでも、「紙の本1万部」と「紙の本7,000部、電子書籍3,000部」では前者の紙の本1万部の方が良いという意見です。
他にも「電子書籍著者にはセルフパブリッシングで儲けたいと目論む者がかなりいる」「電子書籍はあまり売れないだろうからやっても意味がない」という意見があるようです。
電子書籍を個人で出版し、著者としての肩書きや箔を手にすることや、リストマーケティングを目的に電子書籍を出版するというのは、マーケティング的な観点からするとメリットは非常に多いです。
しかし、純粋に書籍を通して思いを世に広めたい人や、本を紙で出すことに意味を感じている著者は、
そういった電子書籍の著者と同じように扱われたくないと思う方が多く、電子書籍に否定的な意見を持っています。
そんな中で、電子書籍作家としてくくられるのでは無く、出版社から出版される正真正銘の「著者」という肩書きを求めている方は非常に多いです。
ただ、そうは言っても出版社から紙の本を出版する方法わからない、人脈も無い、という方向けに
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