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出版社視点の電子書籍出版のメリット・デメリット

こんにちは、株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン代表取締役の深作浩一郎です。

株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン代表取締役の深作浩一郎

今回は書籍出版の中でも電子書籍出版のメリットとデメリットを、著者や作家でも読者でも無く出版社の視点から紹介していこうと思います。

スマートフォンのや電子タブレットの普及と同時に、電子書籍は世界中に広く利用されるようになりました。いつでもどこでも閲覧でき、気軽に買えたり、紙の本よりも少し安く買えるなどの消費者にとっては嬉しいメリットがる反面、出版社視点では電子書籍出版にはどんなメリットやデメリットがあるのかを紹介していきます。

出版社視点の電子書籍出版のメリット

出版社視点の電子書籍出版のメリット(1)在庫を抱えない

出版社視点の電子書籍出版のメリット(1)在庫を抱えない

電子書籍出版の最も大きなメリットは在庫を抱えないという点です。在庫を抱えないということは、さらに多くのメリットをもたらします。

出版社は本来、紙の本を管理する場所や本を販売するための本屋が必要になります。また紙の本では在庫切れや絶版などの可能性も出てきます。しかし、在庫を抱えない電子書籍であれば、紙の本を作成して保安する場所も、販売する書店も全てインターネット上で完結するので、在庫を抱えるコストがかかりません。

 

出版社視点の電子書籍出版のメリット(2)国内外に大きな発信力がある

出版社視点の電子書籍出版のメリット(2)国内外に大きな発信力がある

電子書籍であれば、インターネットを利用することで書籍の輸出入の必要がなくなり、私たちが外国の書籍を輸入する必要がなうなるように、手軽に日本の本を世界に発信できるメリットがあります。

発売日に書籍をタイムラグ無く読み始めれるのもメリットと言えます。

また、Kindleなどの電子書籍サービスでは初月無料で利用できるプロモーションなどもあるため、集客という点では世界中に顧客を抱える電子書籍サービスなどの利用で、大きな発信力を用いてより多くの電子書籍ユーザーへと本を届けることができます。

 

出版社視点の電子書籍出版のメリット(3)印税率が紙の本より高い

紙の本の場合、印税率は出版した紙の本の売上げの5%〜10%が著者に渡るというのが一般的な目安となっています。電子書籍のAmazon Kindleの場合は、印税率は35%または70%と明確に定められています。

印税を70%にするにはKindleでの独占販売などのルールはありますが、それでも最低で35%という高い印税率で電子書籍を販売できます。

ただし、紙の本と電子書籍の印税において大きく異なる部分があります。それは、どのタイミングで印税が入るかです。

紙の本の場合、本が一冊も売れていなくても出版社が刷った部数分だけ著者に印税が入ります。一方で電子書籍は実際に売れた分の印税しか入らないので、電子書籍が売れなければ、その分の印税も入ってこないということになります。

単純に印税率だけを見るとと出版社側にとってはメリットがあると言えます。

 

出版社視点の電子書籍出版のデメリット

ここまでに紹介した電子書籍出版のメリットがあれば、出版社はどんどん電子書籍を出すのでは?と思われすですが、メリットがある分それなりに大きなデメリットも存在します。そしてそのデメリットが出版社が電子書籍化になかなか前向きになれない原因でもあります。

出版社視点の電子書籍出版のデメリット(1)利益が小さい

電子書籍は、紙の本より定価が安いのが特徴です。

出版社視点の電子書籍出版のデメリット(1)利益が小さい

電子書籍=紙の本よりもちょっと安い
というイメージは私たち本を買う側にはすでに付いてしまっているので、あえて同じ値段で電子書籍を販売することもありません。

電子書籍は紙の本と比べて10%~20%くらいの割引率で販売されていることが多いです。紙の本よりも販売価格が下がる分利益も下がるので、出版社側としてはデメリットとなります。

出版社視点の電子書籍出版のデメリット(2)電子フォーマットへの変換が必要

紙の本は、原稿さえあれば後は紙に印刷さえすればすぐに市場に出すことができます。

それに比べて電子書籍の場合は、書籍のデータの容量やレイアウトの複雑さにより電子書籍するまでかなり手間がかかる場合があります。

元々ある本を全て画像化するだけじゃないの?と思われがちですが、ただ画像化するだけではデータ量が莫大な量となり、書籍のデータが重くなってしまいます。電子書籍でページをめくっているのに表示が遅いとなれば、読者には相当のストレスがかかります。

よって、よりデータ量を少なく紙の書籍を電子化するために、書籍を電子フォーマットに変換する作業が必要になるのですが、これが出版社としては余計な手間になります。電子書籍にするまでの手間やコストを考えると、出版社側としてはデメリットが多く、あえて電子書籍にもする、ということも少ないようです。

出版社視点の電子書籍出版のデメリット(3)手間が増える→その割に売れない

出版社が紙の本を電子書籍種版する場合、電子フォーマットへの変換以外にも多くの手間がかかります。

本の中には、内容によって電子書籍化するのに著作権の処理の手間がかかるものがあります。紙の本と電子書籍では同じ内容でも扱い方が異なる場合があるので、紙→電子 と単に横移動させるだけという訳でもないようです。

また、紙の書籍の契約と電子書籍の契約が同時に行えず、それぞれ別の契約を交わす必要が出てきます。そのため著作権の処理と同じように、紙の書籍を電子書籍化するための契約を別途で交わさなくてはいけなくなり、それが手間になります。

そして何より、出版社がこれらの手間をかけて紙の本を電子書籍化したところで、電子書籍市場自体の認知度や利用率が低いために、手間に応じた利益が見込めないのが、出版社の電子書籍出版の大きなデメリットと言えます。

 

電子書籍出版でメリットが大きいのは著者

電子書籍出版でメリットが大きいのは著者

ここまで紹介した出版社視点の電子書籍出版のメリット・デメリットから分かるように、出版社としては電子書籍と比べて紙の本の方に利益があります。

電子書籍出版の場合、書店などの仲介料、人件費などのコストは削減はできますが、電子書籍を作る上で電子フォーマットに変換や契約の手間にかかるコストや電子書店へのマージンとで相殺されてしまう場合が多く、利益になっても紙の本の利益のを上には到底及びません。もちろん中には電子書籍でベストセラーになるようなものもありますが、紙の本に比べるとやはり数は圧倒的に少ないと言えます。

また、まだまだ全ての世代に電子書籍は浸透しておらず、市場が紙の本に比べて狭いので、費用対効果が小さいことも課題になっています。

一方で、電子書籍出版を行う著者側にはメリットが大きい場合があります。

電子書籍出版は個人でも無料で行うことができ、何よりも電子書籍出版することで著者自身が大きなメリットを得られることがあります。

それは電子書籍を出版したという肩書きであったり、電子書籍から自身のサイトや商品を紹介したり、リスト取りができるところです。

出版社にとってデメリットが多く、電位書籍は出版する意味がないように見えて、個人でビジネスを行っているような著者視点から見ると大きなメリットもあったりします。

ただ、やはり電子書籍というのは紙の本には劣る部分が多く、「電子書籍を出版するならば、紙の本でも出版したい」という思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、出版社から紙の本を出版する方法わからない、人脈も無い、という方向けに

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深作浩一郎
経営者/事業家/文筆家。株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン代表取締役。1986年生まれ、札幌市出身。初の著書「ゼロイチ起業」(サンライズパブリッシング)は発売前々日にビジネス書では異例の増刷となりAmazon1位も獲得。 2冊目の著書「現在の自分をお金に変える方法」(フローラル出版)では予約販売時にAmazon1位を2つのビジネス書カテゴリで獲得。 テレビ地上波にて出版時の様子が放映されるなど、新進気鋭のビジネス書作家である。温泉好きが高じて温泉ソムリエの資格も持つなど遊びを軸としたビジネス構築を「好きを仕事にする方法」と題して展開中。

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